経営事項審査(経審)は、国・地方公共団体などが発注する公共工事を直接請け負おうとする建設業者が受ける審査です。経営状況、経営規模、技術力、社会性等を全国共通の基準で評価し、その結果は入札参加資格審査で利用されます。
経審で総合評定値等を得た後、国・都道府県・市区町村など発注者ごとの入札参加資格審査へ申請するのが一般的な流れです。
経審の全体像
- 決算を確定し、決算変更届を提出審査基準となる事業年度の工事・財務情報を整えます。
- 経営状況分析を申請登録経営状況分析機関へ財務内容の分析を申請します。
- 経営規模等評価を申請工事種類別完成工事高、技術職員、社会性等の資料を準備します。
- 総合評定値を請求・結果通知を取得入札参加資格で使用する結果を確認します。
- 入札参加資格へ申請発注者ごとの受付時期・要件に合わせて申請します。
主に確認する評価分野
経営規模
工事種類別完成工事高、自己資本額、利益額など。
経営状況
財務諸表をもとに登録経営状況分析機関が分析します。
技術力
技術職員数や元請完成工事高などを確認します。
その他・社会性等
社会保険、建退共、防災活動、法令遵守等の評価項目があります。
経審の有効期間を切らさないために
公共工事を継続して直接請け負う事業者は、審査基準日から1年7か月の期間を意識して毎年経審を受ける必要があります。結果通知が届くまでの期間も考慮し、決算確定後の届出・分析・経審を計画的に進めます。
2026年7月1日施行の改正
経営事項審査の評価基準は改正されることがあります。2026年7月1日にも新しい基準が施行されているため、申請年度に使用する最新の手引き・評価項目を確認してください。
総合評定値(P点)は何で決まるか
経審の総合評定値Pは、完成工事高(X1)、自己資本額・利益額(X2)、経営状況(Y)、技術力(Z)、その他社会性等(W)を一定のウェイトで組み合わせて算出します。2026年7月1日施行基準では、基本式は「0.25×X1 + 0.15×X2 + 0.20×Y + 0.25×Z + 0.15×W」です。
完成工事高
許可業種ごとの完成工事高を評価します。
自己資本・利益
自己資本額や利益に関する指標を評価します。
経営状況
登録経営状況分析機関が財務内容を分析します。
技術力
技術職員数や元請完成工事高などを評価します。
その他・社会性等
担い手、防災、法令遵守、経理、建設機械、認証等を評価します。
経審の準備で集める資料
工事・技術関係
- 工事経歴・完成工事高の根拠資料
- 技術職員の資格・雇用関係資料
- 元請完成工事高の確認資料
- 許可業種ごとの工事台帳
財務・社会性関係
- 決算変更届と財務諸表
- 経営状況分析結果
- W項目の加点を確認する資料
- 審査行政庁が求める確認資料
「1年7か月」は結果通知日からではありません
経審の有効期間は、原則として審査基準日(直前の決算日)から1年7か月です。結果通知書が届いた日を起点に考えると、有効期間管理を誤るおそれがあります。公共工事を継続して直接請け負う会社は、毎年の決算後に決算変更届・経営状況分析・経審を早めに進めます。
2026年7月1日施行の改正も確認
2026年7月1日から経営事項審査の評価基準が改正され、その他社会性等(W)の評価項目に「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」の宣言状況が加わるなどの見直しが行われています。申請日が改正後であれば新基準が適用されるため、前年の資料をそのまま使わず最新の手引き・チェックシートを確認してください。
経審結果を入札参加資格へつなげる
経審で総合評定値通知書を取得しても、それだけで国や自治体の競争入札へ参加できるわけではありません。発注者ごとの入札参加資格審査で、経審結果、許可業種、営業所、納税状況などを確認し、有資格者名簿への登録や等級・格付けを受けます。
国土交通省「経営事項審査の主な改正事項」、JCIP案内を確認できます。各都道府県の経審ページは都道府県ページに掲載しています。
よくある質問
経審を受ければ公共工事の入札に参加できますか?
経審だけでは足りず、通常は各発注者の入札参加資格審査への申請が別途必要です。
経審は毎年必要ですか?
公共工事を継続して直接請け負う場合は、経審の有効性が途切れないよう毎年の受審スケジュールを管理する必要があります。
JCIPで経審を電子申請できますか?
JCIPでは建設業許可・経営事項審査の電子申請が行われています。対象手続や利用方法は国土交通省と許可行政庁の最新案内をご確認ください。